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地元出身カップルの願いに応え、大洲城キャッスルステイで初となる結婚式を開催

去る2023年5月13日土曜日、愛媛県大洲市の大洲城にて1件の結婚式が執り行われました。新郎新婦のお二人は大洲のご出身で、高校時代からのお付き合い。大洲城は二人の思い出が詰まった思い出の場所でした。

そんな思い入れのある大洲城で結婚式がしたいというお二人の想いをきっかけに、この度初めて大洲城での結婚式が実現しました。結婚式当日を振り返りながら、お二人の大洲城にかける思いと、実現までのストーリーをお届けします。

 

舞台は愛媛県大洲市の城下町

愛媛県は松山空港からJR予讃線でローカルな電車に揺られ、南予へ。山間部を抜けると蛇行する肱川の地形に沿って築かれたまち、大洲市に辿り着きます。

大洲市は、日本で5つしかない木造復元天守と国指定重要文化財に指定された櫓を持つ大洲城を中心とした城下町。そのまちなみには、江戸から昭和初期にかけて建てられ往時の趣を今に伝える町家や古民家、明治期の貴重な建築で重要文化財である臥龍山荘をはじめとする歴史的価値の高いおよそ100軒もの建造物が点在しています。

しかしそれらの価値ある建造物は時代の流れと共に空き家になったり取り壊されたりと、存続の危機に瀕していました。

 

当社バリューマネジメントは大洲市、地域DMOである一般社団法人キタ・マネジメントなどと2018年に連携協定を結び、今日に至るまで城下町の再生と観光まちづくりに取り組んでいます。

2020年7月には分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」を開業。歴史的価値の高い邸宅や蔵をフロントや客室といった機能を持つ建物へとそれぞれ修復し、まち全体をホテルとみなして回遊することで、大洲の歴史や文化、人々の暮らしに触れる、新しい旅の在り方を提案しています。

3年間で120名以上のご宿泊!日本で唯一の大洲城キャッスルステイ

ホテル開業と同時にスタートしたのが、日本初となる城を貸し切って宿泊する「大洲城キャッスルステイ」です。城を「観る対象」としてだけではなく利活用の対象とすることで、文化財保全と話題化・収益化を両立し、次の世代へと城という文化財、そして文化そのものを継承することを目的に、まちづくり施策の目玉として展開しています。

 

大洲の城泊は、木造で復元された天守に宿泊する、日本初にして唯一の城泊です。お客様は1日城主となり、城を治める殿と姫として家臣に出迎えられます。時の藩主である加藤貞泰の入城を再現し、甲冑姿に扮したまちの有志による本格的な歓迎と祝福を受けた後は、大洲の伝統芸能や饗応料理をお愉しみいただき、当時の殿と同じ景色を眺めながら天守でお休みいただく、他にはない非日常な体験です。

 

2023年6月末現在、大洲城キャッスルステイをご体験いただいたお客様は国内外合わせて26組。延べ123名のお客様に城に泊まるという唯一無二の時間をお愉しみいただきました。

 

こうした大洲市での一連のまちづくりの取り組みは、グッドデザイン賞受賞(2021)やグリーンデスティネーションズ2023「伝統文化」部門で世界1位に輝くなど、サステナブルなまちづくりとしての高い評価に繋がっています。

思い出の詰まった大洲城でプロポーズ、そして結婚式を

大洲市ご出身のお二人にとって大洲城は思い出の場所。町のシンボルとしての存在であり、大洲高校に通っていた当時、思いを告白した場所でもありました。

その後、時を経て東京にお住まいを移されたお二人。プロポーズの場所に選んだのは東京のレストランでも遊園地でもなく、思い出の大洲城でした。

 

お二人にとって大洲城はご縁が始まり、深まった場所。そんな場所で結婚式を挙げたい。

 

しかし大洲城ではこれまで結婚式を執り行ったことはなく、そのようなサービスもありませんでした。実現したい一心で、大洲城キャッスルステイを利用し、そのオプションとして結婚式を叶えることとなりました。

 

そして去る2023年5月13日土曜日。 

大洲市内の結婚式場で披露宴を行った後、大洲城の一般開放が終了する17時を目指してゲストを乗せた車が式場を出発しました。

何が待つのか知らされていないまま大洲城の天守へ到着したゲストをお出迎えしたのは、甲冑姿に扮した家臣団たち。御長柄隊、雅楽の演奏者らも控える中、城代家老役の声が響きました。

 

「殿のご入城じゃぁ」

城内に太鼓が鳴り響き雅楽が演奏されると、多聞櫓から通じる天守の扉が開き、殿となった新郎のご入城です。城代家老に導かれ、挙式台へと歩みを進めます。

続いて姫となった新婦が入城し、思い入れの強い大洲城での念願の挙式に緊張しつつも、凛とした面持ちで並ばれたお二人。 

「縁の契り」を交わし、お互いの左手薬指に赤い紐を結っていきます。

 

三々九度の「誓杯の儀」を執り行い、式は静かにクライマックスへ。毛筆で認められた誓の言葉をお二人揃って読み上げ、その後ゆっくりと折り畳み、印籠に入れて水引を結ぶと、大洲城で晴れて結ばれたお二人にゲストからは盛大な拍手が沸き起こりました。

そうしてゲストと新郎新婦は、大洲藩鉄砲隊の待つ城外へ。

「放てー」の合図によって新郎が采配を振ると、火縄銃から煙が立ち上がり、身を震わす祝砲の音が大洲の城山に轟きました。

こうして、参列したゲスト、そして大洲城を支える家臣団達に見守られながら、大洲城でのウェディングは幕を閉じました。

 

結婚式を終えて、新婦は「人と違う結婚式をしたかった。『こんな式は初めて』と言われてうれしかった」、新郎は「生まれ故郷のお城での式。一生の思い出になる」と感無量の面持ちで感想をお話しいただきました。

大州で育ち、愛を育んだお二人の想いが実ったこの日。その後お二人は天守に宿泊し、この日一日を振り返りながら明け方まで思い出話に花を咲かせたそうです。

 歴史ある大洲城で紡がれていく縁を、これからも見届けたい

まちの宝である大洲城の活用が実現できたことで、多くの人たちに歴史の体験を味わっていただける大洲城キャッスルステイ。大洲ご出身のお二人が、その思い出の場所で叶えた結婚式は、地域の方にとって日常である場所が非日常になった瞬間であり、我々の取り組みの背景にある「まちの宝が思い出の場所に変わることで、必要性が生まれる」といった想いが叶った瞬間でもありました。

 

新郎新婦からいただいた、自分たちの特別な場所である大洲城で結婚式を叶えられた喜び、そして「一生の思い出ができました」というコメントは、我々にとってもとても価値あるものとなりました。

 

日本文化の象徴であると同時に、地域にとってもシンボルであり宝である城を活用することは決して簡単なことではありません。それでも城、そして城と共に地域に根付く伝統や文化をこれから先の未来へと継承するために、地域の皆様やステークホルダーと共創しながら、一歩ずつ歩みを進めていきたいと思います。

 

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