柿田 美友 / Kakita Miyu

「いま」と「ここ」を手渡す、地域のストーリーテラーでありたい。――奈良の鹿、日本酒の一杯。その瞬間にしかない物語を紡ぐということ。

柿田 美友 / Kakita Miyu

宿泊部門 サービス

奈良拠点でサービスを担当する柿田。「地域のストーリーテラー」を志し入社した彼女が、お客様のニーズを察して「いま、ここ」にしかない価値を手渡す接客の真髄を語ります。分散型ホテルならではのチーム連携や、街の物語を紡ぐホテリエとしての使命感に迫ります。

「大正解だったよ」と、就活中の自分に伝えたい。

私の就職活動は、驚くほど一直線でした。最初から「バリューマネジメントしかない」と思っていたんです。

地元は島根県の出雲市。神話の息づく大好きな街ですが、外から入ってくる地域創生の波には、どこか違和感もありました。立派な施設はできるけれど、土地のストーリーや「まちらしさ」が置き去りにされているような気がして……。地元の人たちが誇りを持って「ここが大好きだ」と叫べるような、そんな地域創生がしたい。それが私の軸でした。

「物語を大切に紡ぎ、後世に語り継ぐストーリーテラーになりたい」

面接でその想いをぶつけたとき、この会社なら「やりたいこと」と「お客様に価値を届けること」が矛盾なくつながると確信しました。今、入社して1年半。当時の自分に声をかけるなら、「その選択、大正解だったよ!」と真っ先に伝えたいですね。

「与える」よりも先に、お客様のニーズを「察する」こと。

私は今、奈良の拠点でフロントとダイニングの両方に立っています。ホテリエとして大切にしているのは、「いま、ここでしか味わえない価値」を手渡すことです。

たとえば、奈良公園の鹿。実はお尻のあたりの毛はまだ夏の名残の斑点模様(鹿の子模様)があるのに、肩のあたりはもう冬毛に変わり始めているんです。そんな小さな季節の移ろいをお伝えすると、お客様はパッと表情を明るくして「奈良公園で確かめてみるわ」と笑ってくださる。

ただ、最初からこれができていたわけではありません。入社直後の京都配属時代、先輩からいただいた言葉が今も胸にあります。「自分から与える側でいようとするばかりじゃだめ。それはあなたの自己満足でしかないよ」と。

「伝えたい」という私の熱意が先走って、お客様が本当に欲しているものを見落としていたんです。ガーンと頭を殴られたような衝撃でした。それからは、憧れの先輩の所作を徹底的に真似し、毎日「日報」にお客様とのエピソードを書き続けました。お客様が何を欲しているか。それを察して初めて、私の言葉に価値が宿る。今の私の接客の土台は、その「聴く」姿勢にあります。

チームで仕掛ける、目に見えないホスピタリティ。

バリューマネジメントの面白さは、一人で完結する仕事が一つもないところです。

私たちの拠点は「分散型」といって、宿泊棟とレストランが離れていることもあります。だからこそ、情報の連携が命。

京都時代、朝食会場でお客様が「今日はこのあたりを歩こうかな」とポロッとおっしゃった内容を、すぐにフロントへ共有していました。するとお客様がフロントを通る頃には、スタッフが手作りの周辺マップを用意して待っている。

「朝ごはんの時に話したことが、もう伝わっているの?」

その驚きと喜びの表情を見たとき、シメシメと思います(笑)。遠く離れた場所にいる仲間と、お客様の未来を先読みして動く。この「阿吽の呼吸」が生まれた瞬間、チームで働くことの醍醐味を強く実感します。奈良と京都の拠点をまたいだ連携など、遠隔でも「一枚のチーム」でお迎えする感覚。それは、マニュアルにはない、自分たちで作り上げていく楽しさです。

鴨川を歩き、景色と対話するリセットの時間。

私のリフレッシュは、ひたすら「歩くこと」です。

京都にいた頃は、鴨川沿いを歩いたり、全然知らない街角をぐるぐる巡ったりしていました。歩きながら考えを整理して、ふと立ち止まったときは、ただ目の前の景色だけを眺める。

自然の景色を見て、季節の匂いを感じる。その時間は、私にとって単なる休息ではなく、接客の「引き出し」を増やす大切な時間でもありました。「この前あそこを歩いたら、こんな花が咲いていて……」という体験が、そのままお客様へのご案内に繋がっていく。

社会人になっても、学生時代から好きだった「土地の歴史や地理に触れること」がそのまま仕事になっている。だから、私にとってオンとオフの境界線はとても心地よく溶け合っています。

「使命感」を分かち合える仲間を待っています。

私が考える「VMらしさ」とは、街や建物に対する強い「使命感」をみんなが持っていることです。

お客様のため、そして地域のために、言葉と行動の両方を尽くせるか。そこに熱くなれる人が集まっているのが、この会社の強みだと思います。

いま、地域創生を学べる場所は増えています。でも、それをどう形にすればいいか迷っているなら、ぜひ飛び込んできてほしい。あなたがこれまでの人生で見てきた景色、吸収してきた事例、そのすべてが、誰かの旅を彩る最高のスパイスになります。

「いま」と「ここ」にしかない価値を、一緒に手渡していける日を楽しみにしています。奈良でお待ちしています。

Interview

OUR STORIES

バリューマネジメントの中心にあるのは、建物でも仕組みでもなく、"人"。社会課題に挑み、文化を紡ぐ一人ひとりの「想い」と「今」を紹介します。それぞれの原点を通して、"あなた自身の未来"を描いてみてください。