松岡 直哉 / Matsuoka Naoya

人が輝く環境を創りたい ――オーナーや地域の想いを継ぎ、誰もが誇ることのできる場所づくり

松岡 直哉 / Matsuoka Naoya

総支配人

2010年よりアルバイト経験を積み、2012年に入社。婚礼メインの都市部にある会場から地方の宿泊会場の立ち上げおよび支配人を歴任。現在は、京都市にある「AKAGANE RESORT KYOTO HIGASHIYAMA 1925」の総支配人を担う。

「これ、お前に渡すわ」――託された鍵の重み

私の入社のきっかけは、正直に言えば「走り回るポジションなら自分も輝けるかな」という、がむしゃらなものでした。スキルも何もないけれど、目の前のことに全力になれる場所。そんな自分を、この会社はまるごと許容してくれていました。

各地を転々とする中で、私の仕事への向き合い方が根本から変わった、一番大きな転機があります。それは神戸迎賓館という自社で運営している会場の、3代目オーナー 西尾さんがお亡くなりになる時のことです。亡くなる1〜2週間前くらいだったと思います。「ランチ行こう」と誘われて、2人でご飯を食べに行きました。その時に「通帳記帳してきてくれ」と頼まれたり、鍵を渡されて「これ、お前に渡すわ」と言われたりしたんです。ご自身の死期を悟り、誰かに想いを託したかったのだと痛いほど伝わってきました。

西尾さんは、須磨という土地を愛し、神戸迎賓館を守りたくて、ご自身の中で葛藤しながらもずっと頑張っておられました。その姿を近くで見ていた時に、「こういう方々の本当の意味での役に立てる支配人って、世の中にそんなに多くないんじゃないか」と思ったんです。

その時、「覚悟が決まった」と言うと少しかっこよすぎるかもしれないですけど、松岡の仕事は「誰かの想いを守り、紡いでいく」へと変わりました。自分が奮闘することで、オーナーや組織、そして地域にまで、確かな影響を与えられると肌で感じることができました。それが、今の私の仕事の根底にあるものです。

まずは「楽しめる空気を作る存在」でありたい

VM(バリューマネジメント)の人間って、みんな実直で誠実なんですよ。でも、私の軸はどこまでも「楽しむ」なんです。

支配人という立場ですが、私一人で成し遂げられることなんて一つもありません。だからこそ、自分が一番の「空気を作る存在」でありたい。事務所に笑い声があるか、メンバーが些細な嬉しいことを共有できているか。これを、私は大切にしています。

心が健やかでなければ、お客様の些細な変化には気づけません。逆に、チームが笑い合っていれば、自然と周囲に気を配り、高め合う文化が生まれます。VMGコンシェルジュという社内表彰で1位になったメンバーが「先輩の技術を盗んで改善しました!」と誇らしげに報告してくれたり、最近では「松岡さんの下で働けたのは、人生の『大当たり』です」と言ってくれる仲間も現れました(笑)。

そんな仲間たちといい場を創れているからか、パートナーであるカメラマンさんやお花屋さんが「この会場で働くのが嬉しいし、いい仕事ができる」と言ってくださる機会が増えました。
こんな「空気」が伝播し、関わる全員が誇りを持てる場所にしていきたいです。

「負けず嫌い」は、仲間を支える盾となる

私は人を傷つけることや、誰かが苦しんだり、チームが停滞したりするのを見るのが大嫌いです。だから、チームが停滞し、メンバーの悩みを解決できないときは、本当に情けなくて落ち込みます。

もう一つ、これだけ人の話をしていますけど、実は「数字(成果)」が届かないこともめちゃくちゃ嫌なんですよ。負けず嫌いなんです(笑)。行く末が見えない時は、自分をカバーするために必死に動いて、逆に余裕がなくなってしまうこともありました。

その葛藤の中で私が自分に課したのは、「この会場で一番、状況を把握している人間になる」という決め事でした。オペレーションの細部から、PL(損益)の数字、お客様一人ひとりの表情、地域の困りごと。

「質問されたときに答えられない自分が嫌だ」という、子供のような負けず嫌いから始まったスタンスですが、今ではそれが強固な自信に繋がっています。「松岡ならなんとかしてくれる!」そういった安心感が、仲間を支える盾として自信に変わりました。最終的な責任を引き受けるからこそ、メンバーが安心して挑戦できると信じています。

おばあちゃんのゴミ出しと、窓に灯った明かり

オーナー様の想い、仲間の想いについて色々と話してきましたが、地方の会場の経験の中で、その領域が地域にまで広がりました。2020年には、愛媛県の大洲市の宿泊施設の新規オープンの立ち上げをしていたのですが、フロントの隣に住んでいるおばあちゃんのゴミ出しを手伝ったりしていました。私たちの存在が少しでも助けになれば、という日常の何気ない交流です。

ある夜、運営が本格的に始まり、歴史的な建物にパッとライトが灯ったのを見て、そのおばあちゃんが涙を浮かべて伝えてくれました。「明るくなっているのを見て、本当に嬉しかった」と。その時の情景は今でも鮮明に覚えています。私たちが守っているのは、建物という「有形」のものと、その土地に住む人の想いやストーリーという「無形」の文化だと実感しました。

自分の「らしさ」を見つける、その伴走者でありたい

最初から「やりたいこと」が明確である必要はありません。私自身、最初はぼんやりと、人の役に立ちたいと思っていました。ただ、一生懸命に働いて、誰かに喜ばれる心地よさを積み重ねていくうちに、自分だけの「らしさ」が形作られていきました。

「楽しんで働きたい。一生懸命になりたい。でも、自分が何をしたいかはまだ分からない」

そんな仲間を、私は全力で迎え入れたいです。自分で決めた道をがむしゃらに進むあなたの、一番の伴走者として、私はここにいます。

Interview

OUR STORIES

バリューマネジメントの中心にあるのは、建物でも仕組みでもなく、"人"。社会課題に挑み、文化を紡ぐ一人ひとりの「想い」と「今」を紹介します。それぞれの原点を通して、"あなた自身の未来"を描いてみてください。