野口 もか

「人生の分岐点」に寄り添い、消えない痕跡を残す。――重なり合う人生の時間を、文化財という箱で永遠に紡いでいく。

野口 もか / Noguchi Moka

マネージャー / 支配人

支配人の野口もかは、お客様の過去の「事実」を深掘りして唯一無二の結婚式を創る姿勢や、挫折を経て抱いた「成果で文化財を守る」覚悟を語ります。歴史的建造物に人々の想いを重ね、結婚式の価値を証明する彼女の情熱に迫ります。

「この会社は、私という人間を一番生かしてくれる」

私の入社のきっかけは、今振り返っても驚くほど直感的なものでした。

当時、福岡で学生時代を過ごしていた私は、「結婚式という非日常の幸せに溢れる場を作りたい」という思いと、「もともと好きだった文化財の価値を広めたい」という二つの軸を持っていました。そんな中で出会ったバリューマネジメントの面接。そこで、社長の他力野と対話した時間がすべてでした。

「あ、この会社は、私という人間を理解して、一番効果的に生かしてくれそうだ」

そう確信したんです。私は正直、プライドが高い人間です(笑)。人から勝手に心の内を侵略されるのが何より嫌。だからこそ、「誰かに心の中を暴かれるくらいなら、自分で自分を解剖して、先に自己申告して道を切り拓きたい」。そんな少し尖った私の性質を、この会社は面白がり、受け止めてくれました。ここなら納得して人生をドライブできる。その衝撃と温度感が、私の11年間の旅の始まりでした。

表面的な感情ではなく、その裏にある「事実」を拾いに行く

私が仕事をする上で、何よりも大切にしているのは「面白がれるかどうか」です。

そしてその「面白い」の基準は、「どれだけ他者の人生に影響を与え、野口という痕跡を残せるか」にあります。

結婚式という場には「感謝」という言葉が溢れていますが、その「感謝」が生まれる背景は、新郎新婦お一人おひとりで全く違います。親御さんへの想い一つとっても、それを感じさせた決定的な出来事が過去に必ずあるはずなんです。

だから私は、接客やカウンセリングの際、安易な感情移入はしません。代わりに、5W1H――いつ、どこで、誰によってその感情が動いたのかという「事実(ファクト)」を徹底的に拾いに行きます。

「ハリー・ポッターの世界で、過去の記憶に瞬間移動するような感覚」でお客様の人生を深掘りしていく。そうして見つけたその人だけの「人生の分岐点」を形にできたとき、結婚式は単なるイベントではなく、一生モノの物語になると信じています。

「憤り」をガソリンにして、成果で文化を守り抜く

私のキャリアは決して順風満帆ではありませんでした。特に、以前コンサルティングに入っていたホテルが撤退・倒産という結果になった経験は、今も胸に深く刺さっています。

どれだけ素晴らしい場所でも、どれだけ理想を語っても、事業としての成果が出なければ守り抜くことはできない。その現実を突きつけられたとき、私の中に強烈な「憤り」が生まれました。

「未来に残していくためには、圧倒的な正しさと、それを支える数字が必要なんだ」

上手くいかない現状に「むかつく!」と腹を立てることもあります(笑)。でも、今の私はその怒りを、解決策を見つけるためのエネルギーに転換できるようになりました。自分の視点が足りないのか、判断が甘いのか。その差分を埋めるために、自分を、そして仲間をアップデートし続ける。かつての「他責」だった自分を捨て、すべてを自分のこととしてケツを拭く覚悟を決めたとき、仕事は本当の意味で楽しくなりました。

建物に刻まれる「人生の地層」を、次の世代へ

今、私は支配人という立場で、京都の会場を預かっています。そこで日々感じるのは、建物という「箱」の尊さです。

新築の式場が年月とともに古びていくのに対し、私たちのフィールドである歴史的建造物は、月日が経つほどに価値が深まり、輝きを増していきます。そこには、私が10年間担当してきた何百組ものお客様の想いが、地層のように重なっているんです。

たとえ流行りのドレスや花が変わっても、この場所で誰かが未来を誓い、人生を預けてくれた事実は消えません。「あのお客様たちが、今もこの建物の中にずっといる」。そう感じられる瞬間、私はこの場所で働く誇りを強く噛み締めます。

優しい勇気を持って、世の中の「当たり前」を塗り替える

私が考える「バリューマネジメントらしさ」とは、心の根っこに「人を想う気持ち」があり、それをやり抜く「優しい勇気」を持っていることです。

今、世の中では「結婚式なんてやらなくていい」という多様な価値観が広がっています。もちろん、それも一つの考え方です。でも、私はそれに喧嘩を売りたい(笑)。

「うちを選んだら、そんなこと絶対に言わせない。挙げてよかったと心の底から肯定させてやる」。そんな憤りにも似た情熱を持って、今日も現場に立っています。

自分自身を深く知り、他者の人生に本気で介入したい。表面的な「いいよね」で終わらせず、その人の人生の種に触れたい。

そんな、まっすぐで泥臭い情熱を持ったあなたと一緒に、次の100年へ続く文化を紡いでいけることを楽しみにしています。

Interview